来る(映画)のぼぎわんは実在する?意味や正体について考察【ネタバレ】
岡田准一さん主演のホラー映画「来る」が2019年12月7日に公開されます。
生来の怖がりなのでホラー映画は絶対に見ないのですが、中島哲也監督なので気にはなっているのです。
映画「来る」には原作があり、原作ホラー小説のタイトルは沢村伊智(さわむら いち)氏著の「ぼぎわんが、来る」
第22回日本ホラー小説大賞で「ぼぎわんが、来る」は綾辻行人さん、貴志祐介さん、宮部みゆきさんといった錚々たる面々により、全会一致で大賞に選ばれました。
ところで、この恐怖の根源でもある「ぼぎわん」は実在するのでしょうか?言葉に込められた意味や正体は?
薄目を開けながらこわごわ調べてみました。
映画「来る」ぼぎわんは実在する?
いきなり出落ちっぽくなってしまいますが「ぼぎわん」は実在しません。
小説の中では「ぼぎわん」は三重県に伝わる妖怪となっていて、「ある人に狙いを定め山へ連れ去る」ものとされています。古文書にもその記述があるようですね。
これは「ぼぎわん」という妖怪が古くから存在するということを、読者や視聴者である私達に印象付ける為の沢村さんの手法なんだなと理解しました。
実在しないと書きましたが、本当は実在するんじゃないかと思うくらい設定がリアリティに富んでいます。
映画「来る」ぼぎわんの意味や正体
「ぼぎわん」という名前の意味は不明ですが、宣教師の到来と同時に生まれた言葉とも。このことから一説としてヨーロッパが原産の伝説上の怪物「ブギーマン」が宣教師により持ち込まれたのではないかと言われています。
ブギーマンの特徴として
・男性だったり女性だったりする
・特定の外観を持たない
・不定形
・恐怖が実体化されたモノとされる
・スコットランドが発祥?
・窓を引っ掻く
・寝台の下に潜む
・箪笥の中に潜む
・子供が夜寝ないと食べに来る
・イボを伝染する
・子供をさらう
etc
などがあり、言うことを聞かない子供を怖がらせて軌道修正する、都市伝説的な側面がありますね。
次に映画の中でのぼぎわんの正体ですが、小説中の描写としては次のような物が挙げられます。
・輪郭のないぶよぶよとした灰色の塊
・女性の声
・呼びかけに答えると「お山」に連れて行かれる
・答えてしまい「謎の噛み傷」で大量出血
・お守りを引き裂く(嫌い?)
・極めて凶悪
・極めて執念深い
・極めて強い
・鏡と刃物が苦手
・人の形をしていて黒く長い髪と両腕
・小さな頭
・輪郭のはっきりしない灰色の胴体
・大小バラバラで出鱈目に並んだ黄ばんだ白い歯
・子供に取り憑いて喋る
・子供を遠隔操作できる
・「と、とぉ…あいとん、ぞ…」
・組紐のような物で作った結界に弱い
・子供を丸呑みにできる大きな口
ちょっと調べただけでチビリそうなくらい怖いんですけど…(汗)
ぼぎわんの正体として、舞台となった三重県のとある地方では口減らしが行われていたのではないかという仮説がありました。
人口を減らしたい村と人間を喰う妖怪ぼぎわんとの共依存関係ですね。
また小説中では、秀樹の祖父・銀二による祖母・志津や母・澄江への日常的な暴力の表現がありました。
銀二の虐待によって志津の娘・秀子が小さい頃に命を落としています。可愛い我が子を殺されて正気を保てなくなってしまった志津は魔道符を使ってぼぎわんを呼び、銀二を殺してしまいます。
前項では「ぼぎわんは実在しない」と結論付けていますが、一旦人の道を外れてしまうとぼぎわんを(とそれに類する現象を)呼び寄せてしまう可能性があることを、私達は胸に刻んで置く必要があるなと考えました。
「ぼぎわんは存在しない。しかし私達の心の中にいつ生まれても不思議ではない」
映画「来る」原作あらすじ
幸せな結婚生活を送る田原秀樹の会社にとある訪問者があった。後輩に取り次がれた伝言にあった名前は生誕を目前に控えた娘・知紗。正体不明の噛み傷を追った後輩はやがて入院先の病院で衰弱していく。
秀樹の周囲に不審な電話やメールが届くが、これは亡き祖父が恐れていた「ぼぎわん」という化物の仕業なのか?
秀樹は愛する家族を守る為に、比嘉真琴という女性霊媒師にコンタクトを取った。迫りくる存在は極めて凶暴で、真琴は自らの手には負えないと悟る。果たして「ぼぎわん」の魔手から逃げられるのか………。
まとめ
どうせ小説でしょと高をくくって調べてみましたが、夜に一人でトイレに行けなくなる予感…小説でこれだけ怖いなら映像化したら…?
ラストは一応ハッピーエンドに見えますが、公園からの帰り道で真琴の背中で寝ている知紗が寝言をいっています。
「…んああ…さお…い…さ、むあ…んん…ち、が…り」
続編フラグでしょうか。自らの最期を察したぼぎわんが咄嗟に知紗に乗り移った可能性が…おっと誰か来たようだ。
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