なつぞら(朝ドラ)のタイトルの意味は?漢字がひらがなになったのは刈谷仁美が理由?
先日、NHK連続テレビ小説「なつぞら」のキャストが発表されました。
記念すべき100作目とあって、広瀬すずさんを始め豪華なキャスト陣に話題が集まりましたね。あの「おしん」の小林綾子さんが35年ぶりに朝ドラに出演したり、北海道が誇る超人気劇団チームナックスから3人が出演することでも注目を集めています。
さて今回のドラマのタイトル「なつぞら」ですが、なぜこのタイトルになったのでしょうか?何か特別な意味があるのでしょうか?またドラマ制作発表時には漢字だったタイトルが、ひらがなに変更になっています。こちらもどうしてなのか気になりますね。
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「なつぞら」の題字は刈谷仁美さんという方が担当されています。なんとなくジブリっぽい雰囲気のイラストですが、一体どんな方が書かれたのでしょうか。
ということで調べてみました。
「なつぞら」にこめられた意味
これについては制作統括の磯智昭さんがこのように話しています。
「(作品の舞台となる)十勝に行くと、空がキレイ。十勝は晴天が多い場所でもあり、十勝晴れという言葉ががあるぐらい。タイトルで“空”は入れたかった。
(十勝の空の)澄み切った、すがすがしさはヒロインのキャラクターでもあるので、ヒロインの“なつ”と合わせて『夏空』にしました」
という理由だそうです。また
「北海道では、夏場に晴れるかどうかは大きなこと。「夏空」にはそんな希望を込めています」
とも明かしていました。
朝ドラ、タイトルの法則
朝ドラには誰が言い出したのかは分かりませんが、『ヒットの法則』というものがあるそうです。
・タイトルが5文字
・タイトルが「ん」で終わる
・元気で明るいヒロイン
・ヒロインが美人過ぎない
・ヒロインの演技が上手過ぎない
・ヒロインが中肉中背で丸顔
・主人公が国家的大事件に巻き込まれ、乗り越えていく
・ヒロインが故郷を離れる
・昭和的ノスタルジーがある
・明るい主題歌がオープニング
・脚本のテンポが適度にユルく密度が濃すぎない
などなど。
また朝ドラには、逆ヒットの法則と言われるものも存在します。そのひとつが、脚本家が私情を挟むことだそうですよ。
例えば、『おしん』で平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%と大成功した橋本壽賀子さんは『春よ、来い』で自分の半生をドラマにしましたが視聴率は30%を超えることはありませんでした。
また『ふたりっ子』(平均視聴率29.0%最高視聴率31.9%)の大石静さんも、自身を主人公のモデルとした『オードリー』(平均視聴率20.5%最高視聴率24.0%)が振るわなかった例があります。
ところで、20018年5月現在放送中の『半分、青い。』はヒットの法則を敢えて全て外して書かれた上に、自伝的要素を多めに含んでいるようです。今現在の視聴率は20%前後ですから、この先どうなるかちょっと気になりますね。
脱線してしまいましたが、今回「なつぞら」はタイトル以外は外しているヒットの法則は少なそうですし、4文字でも「ん」が入ってなくても普通にヒットしそうに思います。
朝ドラの過去のタイトルより考察
視聴率が全てではありませんが、ドラマの成否を語る上で一番手っ取り早い目安にはなりますね。なのでビデオリサーチより関東地区の朝ドラ視聴率のデータをお借りして、グラフにしてみました。
→グラフはこちら(大きい画像が開きます)
尚、うず潮以前の朝ドラ『娘と私』『あしたの風』『あかつき』については視聴率のデータが残っていなかったので、今回のグラフには入っていません。
テレビが娯楽のうち大きなウエイトを占める昭和中期から末期にかけて、朝ドラの視聴率は30%から40%台を推移しています。その中でも『おしん』が群を抜いているのがよく分かるデータです。
昭和末期から徐々に視聴率が下降し始め、平成22年の『ウェルかめ』でワースト記録を更新してしまいました。
その後の『ゲゲゲの女房』で朝の放送時間が48年ぶりに変更され、8時15分開始だったのが8時開始になったり、初めて独立した番組のホームページが作られるなどテコ入れされたことで視聴率が回復しました。
『ゲゲゲの女房』以降、現在放送中の『半分、青い。』まで、視聴率はほぼ20%前後を推移してきています。
ただこのグラフを眺めていると、やっぱりヒットの法則は後付ではないかと感じてしまいますね。
『なつぞら』にちなんでひらがな4文字の朝ドラについて
平成以降に放送された”ひらがな4文字”の朝ドラを調べてみましたが、結構ありました。
『ひまわり』(平均視聴率25.5%)
第54作目。脚本は井上由美子。会社をリストラされた主人公南田のぞみ(松嶋菜々子)が、身内の窃盗事件をきっかけに弁護士を目指して一人前に成長していく。
『すずらん』(平均視聴率26.2%)
第60作目。脚本は清水有生。大正時代末期に北海道の留萌地方の駅に捨てられ、駅長に育てられた常盤萌(柊瑠美/遠野なぎこ/倍賞千恵子)の激動の一生。
『まんてん』(平均視聴率20.7%)
第67作目。脚本はマキノノゾミ。屋久島に住む日高満天(宮地真緒)が気象予報士を経て、宇宙飛行士になるまでが描かれた物語。
『だんだん』(平均視聴率16.2%)
第79作目。脚本は森脇京子。歌うことが好きな田島めぐみ(三倉茉奈)と、うり二つの顔をした舞妓、一条のぞみ(三倉佳奈)2人の物語。
『てっぱん』(平均視聴率17.2%)
第83作目。脚本は寺田敏雄、今井雅子、関えり香。広島県尾道市に生まれた村上あかり(瀧本美織)が高校を卒業して就職、その後困難を乗り越えて夢を叶えるストーリー。
『おひさま』(平均視聴率18.8%)
第84作目。連続テレビ小説50周年記念作品。脚本は岡田惠和。冴えない主婦生活を送る原口房子(斉藤由貴)は訪れた長野県安曇野で「百白花」の店主・陽子(井上真央)と出会い、彼女の半生を聞くことになる。
『ひよっこ』(平均視聴率20.4%)
第96作目。脚本は岡田惠和。米農家の長女・谷田部みね子(有村架純)は出稼ぎに出たまま帰ってこない父を探して集団就職で上京。1年経たずして工場が倒産して職を失ったみね子を拾ってくれたのは洋食屋「すずふり亭」だった。
『まんぷく』
第99作目。脚本は福田靖。日清食品創業者の安藤百福と妻の仁子の半生を描く。ヒロインは安藤サクラ。
『なつぞら』
第100作目。脚本は大森寿美男。戦災孤児の少女・奥原なつ(広瀬すず)がアニメーターを目指して成長していく姿を描いたストーリー。
一番最近のひらがな4文字タイトル『ひよっこ』が健闘しているのを見ると、やっぱりタイトルと視聴率は関係ないと思えちゃいますね。
「夏空」から「なつぞら」に変更された理由
今回タイトルの法則は踏襲しなかった「なつぞら」ですが、当初のタイトルは「夏空−なつぞら−」でした。これは4月26日の十勝編出演者発表会見上で、変更が発表されました。
このタイトルの変更について、統括の磯智明さんは以下のように述べています。
今回はアニメーションをドラマのテーマにしておりまして、刈谷仁美さんというアニメーターの方にタイトルロゴを依頼したところ、ひらがなの『なつぞら』のデザインがとても素敵だったので、だったらこれを正式タイトルにしましょう、となりました。
題字を書いた刈谷仁美さんのイラストが良すぎたのが理由だったのですね。
刈谷仁美さんって?
記念すべき100回目の朝ドラのタイトルを変えちゃうくらいのアニメーターさんてすごくないですか?という訳で調べてみました。
刈谷仁美さんの経歴
1996年生まれ。専門学校在学中に短篇アニメ『漫画から出てきちゃった話』を制作。
同作品でインター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル観客賞3位受賞。
2017年度第6回新人アニメーター大賞受賞。
現在はフリーランスのアニメーターとして活躍中。
まだ22歳!若い!
現在は『新人アニメーター寮』に入られていますね。こちらは入社1~3年目までの新人アニメーターさんが入ることができる寮のようですね。
『新人アニメーター寮』にはfacebookがあり、そちらに刈谷仁美さんも投稿されていたりします。
新人アニメーター寮のFBはこちら
なおこちらの寮は寄付とクラウドファウンディングで維持運営を行っているそうです。寄付金は3000円からできて、お礼として「メッセージと限定画像データ」がもらえちゃいますよ。
30000円以上の寄付で寮生との食事会もあるみたいです。なにそれ面白い。
もし興味がおありでしたらこちらからどうぞ。
刈谷仁美さんのSNS
刈谷仁美さんはインスタやツイッターをされていました。
インスタは完全プライベートのようで、非公開になっていました。残念。なのでリンクするのは止めておきます。
ツイッター
現役アニメーターのツイートで、リアリティがあってなかなか興味深いです。お若いはずなのに、らんま1/2のオープニングをRTしてるのが面白かったです。
ついにキャストが公開されましたね^ ^自分はタイトルロゴのデザインと最初は台本の表紙で使われるだけだったイラストを描かせていただきました。他にも色々やります(これから)
微力ながらこれから頑張ります!https://t.co/xgFhe9oLi8— かりや (@KRY_aia) 2018年4月26日
関係ないんですけど、RTされてるこのVRゲームがヤバい!やってみたい!ていうかRTのセンスがいい!
VRの音ゲーが痩せそうと俺の中で話題 pic.twitter.com/bDDR4td8Aw
— ゆー(`・ω・´)つレースシム (@yu2525niconico) 2018年4月7日
まとめ
なつぞらのタイトルがひらがなの理由や、題字を書いた刈谷仁美さんについて書いてみました。
題字とイラストは刈谷仁美さんっていうほんとの新人アニメーター。こういう起用、いいよね。がんばれ新人アニメーター!低賃金重労働に負けるな
2019年度前期 連続テレビ小説「なつぞら」キャスト発表! 2019年度前期 連続テレビ小説【第100作】『なつぞら』作:大森… https://t.co/dtd6ENVfjG
— どんぶり勘定奉行 (@donburikanjobug) 2018年4月26日
刈谷仁美さんはガチの新人さんだったということが分かりました。ご自身のツイッター上でイラストやラフや動画などを公開されていますが、センスが良くて時間を忘れて見てしまいました(笑)
アニメーターという職業はかなり大変そうですが、これからどんな活躍をされるのでしょうか。とても気になります。
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Comment
タイトルに咲いているお花が
何の花なのか気になります。
北海道由来の花なのでしょうか。