東京五輪のボランティアの内容や条件がひどいけど募集要項は?交通費や宿泊費なしの理由も
2020年東京オリンピックのボランティア募集が7月から開始されます。
オリンピックを間近に感じられて、思い出もにもなりそうなこのボランティア、その内容がひどすぎると話題になっています。
今回は東京五輪オリンピックにおける、無償ボランティアの条件や募集要項、やりがい搾取と批判された理由などについてまとめました。
東京五輪ボランティアの募集要項が「やりがい搾取」?
東京五輪ボランティアの募集要項はこちらです。
一部抜粋しますと。
東京2020組織委員会が指定する全ての研修に参加可能な方
大会期間中及び大会期間前後を通じて、合計10日以上活動できる方
(活動期間)オリンピック・パラリンピック大会期間中及び大会前準備期間で1日8時間程度
活動期間のうち、10日間以上が活動日となります。連続でなくとも結構です。
(オリンピック・パラリンピック両方での活動を希望する場合は20日以上)活動にあたり提供する物品等
ユニフォーム
活動中の飲食
ボランティア活動向けの保険
東京(会場が所在する都市)までの交通費及び宿泊は自己負担・自己手配となります
引用元:https://tokyo2020.org/jp/get-involved/volunteer/about/
この赤文字の部分が「ブラック過ぎるだろ!」と話題になっているのですね。
まだボランティア(案)なので、変更されるかもしれませんが大枠は変わらないと予想しています。
東京五輪ボランティアの仕事内容
さて、東京五輪ボランティアの仕事内容はどんな仕事があるのでしょうか?募集ボランティアには以下のような種類があります。
引用元:https://tokyo2020.org/jp/get-involved/volunteer/about/
案内
会場内等で観客及びオリンピック・パラリンピック関係者の案内、チケットチェック、セキュリティチェックサポートを行う。
オリンピック・パラリンピック関係者が快適に日本に入国・宿泊できるよう、空港やホテルでの案内を行う。
人数の目安:16,000~25,000
競技
各競技及び練習会場内において競技運営等のサポートを行う。
人数の目安:15,000~17,000
移動サポート(運転等)
オリンピック・パラリンピック関係者が会場間を移動する際に車を運転し、快適な移動となるよう、サポートする。
人数の目安:10,000~14,000
アテンド
海外要人等が快適に日本で生活できるよう接遇を行う。空港や会場などにおいて、海外要人の接遇を行う。
選手団が選手村に入る前から準備を行い、選手が快適な競技生活を送ることができるように外国語でのコミュニケーションサポート等を行う。
競技を終えた選手がメディアからインタビューを受ける際に、外国語でのコミュニケーションサポート等を行う。
人数の目安:8,000~12,000
運営サポート
競技会場や選手村の運営サポートや車両運行の運営サポートを行う。
ユニフォーム配付施設においてスタッフ(ボランティア等)のユニフォーム配付を行う。
ユニフォーム配付施設や、会場、空港等において、事前に登録された情報を基に、オリンピック・パラリンピック関係者が保有するIDの発行を行う。
スタッフが日々の活動を開始する際の「チェックイン」受付などを行う。
選手村やメディアセンターにおいて各国から来る選手団やメディア、その他関係者が利用する物品の貸し出しを行う。
人数の目安:8,000~10,000
ヘルスケア
観客やオリンピック・パラリンピック関係者などに急病人やけが人が出た場合にすばやく対応するための「ファーストレスポンダー」としての役割を担う。
選手にけが人が出た場合、医務室への搬送サポートを行う。
競技を終えた選手に対して、ドーピング検査員が検査を実施する際のサポートを行う。
人数の目安:4,000~6,000
テクノロジー
通信機器等の貸出や回収などのサポートを行う。
競技会場内で競技結果の入力や表示を行う。
人数の目安:2,000~4,000
メディア
国内外のメディアが快適に取材ができるよう、各種サポートを行う。
記者、フォトグラファーの取材の管理サポート等のほか、記者会見をスムーズに行うための準備・運営サポートを行う。
東京大会を記録するための記録用写真及び動画の編集サポート、選手村の新聞制作のサポートを行う。
人数の目安:2,000~4,000
式典
各競技の表彰式で、選手やオリンピック・パラリンピック関係者の案内や、メダル・記念品などの管理サポートを行う。
人数の目安:1,000~2,000
内容によっては「これをボランティアに任せて良いのか・・・?」と不安になるものもありますよね。
通訳やヘルスケアは、専門スキルを持った人が担当するのでしょうからそれを最初からボランティアってどうなの?責任重くない?と感じます。
この東京五輪ボランティアの仕事内容にも批判があるようですね。
東京五輪無償ボランティア募集要項に対するネットの声
まあ大概が批判的なわけです。
東京オリンピックのボランティア募集のところなんて見てたら頭痛くなるよね。
人雇いたいのなら金出せという単純な話なのに。— どらとん (@doratonton) 2018年5月30日
あー、そうか、東京オリンピックで無償ボランティアさせるのって、単に金がないからじゃなくて(あるんだけど)、「奉仕の精神」を子供に植えつけたいからなのか。
ブラック企業合法化と東京オリンピックと自民党改憲草案と森友(教育勅語)まで全部一本の線で繋がる訳だ。
腐ってやがる。
— ishtarist@馬の眼🐴 (@ishtarist) 2018年5月28日
東京オリンピックがボランティアに固執するのは断じて「金をケチってるから」じゃないよ。
無償労働をさせるためならどんな大金も惜しみ無く注ぎ込むだろう。
予算の問題じゃなく思想の問題なんだよ。— あ (@kinoko2004) 2018年5月28日
批判の内容は
①金をケチってオリンピックをやろうとしているセコさ
②国に奉仕することが美徳という思想を国民に植え付けようとする安倍政権の目論見
が多いようですね。
でもこういう人もいます。
ボランティア好きだから東京オリンピックのボランティアしたい。外国人とお話しできたりして。ワクワク
— ゆう (@yuukawa6) 2018念5月23日
折角の機会だし、ぜひ東京五輪ボランティアに参加したいと考える人も多いと思います。
ボランティア=無償?の危うさ
この意見のように、「無償は無償なりのリスクがある」のですよね。
無償なのに、募集側は有償なみの働きを期待したり、応募側は有償なみの義務を感じたりするところが問題になるのではないかなと感じます。
その根底には「お金をもらうのがあさましい」という思想があり、さらのその底には「自分なんて役に立たないから報酬はもらえないのが当たり前」という思い込みがあることもあります。
そこに付け込まれていると言えばそうですが、やはり自分を守るのは自分ではないかと思うのです。
東京五輪ボランティアが宿泊費や交通費が無料である理由
批判の多い東京五輪ボランティアに参加するかしないかに対して、自分はどうしたいのかが一番大事ですね。
参加したい!と思えば堂々と参加すれば良いのですし、アホらしいと思えば応募しなくてもいいですし、自分で決めて行動すれば他人にどうこう言われる筋合いありません。
行きたくないのに他人から言われて行ったり、行きたいのに他人に批判されて応募できなかったりするから問題になるのです。
自分なりの東京五輪の楽しみ方がありますし、別に楽しくなければ楽しまなくてもよいのです。
「自分で自分の行動を決める」ことを国民が普通にできるようになれば、無理難題のボランティアには誰も集まらないでしょうし、現実的な案が出てくるでしょう。
そして思想を押し付けられることもありませんよね。
批判している人は「役所がこう言ったのだからそれは変更できなくて、押し付けられるものだ」というネガティブで自分たちは無力だという思いがあるように感じました。
個々人でやりたいことをやる、それだけでこの問題は解決するのではないでしょうか。
東京五輪ボランティアの宿泊費や交通費が自己負担である理由ですが、これは過去の成功体験によるものではないでしょうか。
実は今回のボランティアの労働条件は、大成功を収めたと言われる2012年のロンドンオリンピックの時とほぼ変わりません。ロンドンオリンピック開催に際してボランティアを7万人募集し、10万人の応募があったそうです。供給<需要だったのですね。
一方東京五輪はというと、労働条件はあまり変わらないにも関わらず、国立競技場の建設問題やエンブレム問題、予算問題などでボランティア対象者を含む国民全体に「ボランティアはタダ働きかよ」「自分たちには数千億円入ってくるのにボランティアには還元しないの?」といった不信感をいだかせているように感じます。
またボランティア=無償を国やメディアから刷り込まれようとしている、と不快感を感じている人も一定数いますね。
この問題についてはこちらのサイトが非常に参考になりました。
まとめ
東京五輪ボランティアの募集要項に対する批判についてお伝えしました。
無償であることは大会組織委員会と東京都なのですね。
「オリンピックだから」を言い訳にして他の自治体から木材の無償提供を求めたりもしているようですが、やはりそれを断れるか呑んでしまうかは求められた側にかかってきます。
自分、自分たちとしての考え方をしっかり持つこと、それに従って行動することで、変な理屈は少しずつ駆逐されていきます。
その浄化作用を期待したいと思います。
Comment
オリンピックのボランティア、学生ターゲットとニュースをみましたが、ホームステイ制度を設けたらどうかと思い、どこに発言したら良いのかわからなかったのでここに書きました。ボランティアに協力したけど仕事の関係等で長い期間は確保できない。けど学生さんに寝床を提供することは出来る関東圏内に住んでる人はいるのではないのかなと思いました。ボランティア期間中のみ学生ホームステイ制度導入してはいかがでしょうか??オリンピック中の宿泊先確保はとても大変だと思うのでそこだけでも協力できればと思う方はいるのではないのかなと思いました。その双方の募集は委員会にしていただいて。ふと思ったのでコメントしてみました。スルーしていただいても結構です。